財団法人 宇宙科学振興会は、宇宙科学(宇宙理学、宇宙工学を含む)に関する事業への援助及び研究助成等を行い、もって宇宙科学の進展に寄与することを目的として、平成2年6月に設立された財団法人でございます。この財団は設立以来永らく、関本忠弘理事長(平成2年6月~平成12年6月)、武井俊文理事長(平成12年6月~平成24年3月)のもとでその本分を尽くしてまいりましたが、此の度の財団法人の制度改革により、公益財団法人 宇宙科学振興会に移行し、私が理事長を務めることになりました。この間長年ご尽力いただき、また移行に際しては必要な諸手続きに忙殺された旧執行部の方々に敬意を表するとともに、そのご苦労に見合う数々の利便を手にするであろう巡り合わせに恐縮いたしております。
言うまでもなく本財団の設立の趣旨は宇宙科学(宇宙理工学)研究の支援であり、宇宙科学研究分野は宇宙先進国においては各国とも不可侵ともいうべき領域として重視し、力を注いでいるところです。わが国の宇宙科学研究の中心となっている宇宙科学研究所は、近年大いに話題となった「はやぶさ」の活躍にも見られるとおり、その活力と世界的な名声とを維持しています。名称も宇宙科学研究本部から旧来の宇宙科学研究所に戻りました。宇宙科学研究所を中心とした日本の宇宙科学研究のますますの発展を願っております。
残念ながら本振興会においても、昨今の経済情勢の悪化の影響を受け、多くの企業から出捐いただいた浄財の運用益も減少傾向にあり、当財団においてもその運営に少なからぬ影響は避けられない情勢であります。しかし当財団の本務であります、宇宙科学分野における若手研究者に対する顕彰事業、研究者の国際学会参加への支援、国際学会・研究会の国内での開催の支援、等々振興会設立の趣旨に則った公益目的事業としての活動の展開と、多くの企業から出捐いただいた資金の堅実な運用に工夫を凝らして参りたいと存じておりますので、何とぞご支援のほどよろしくお願いいたします。